私が支援してきたものは他にもあります。
1.事業承継
事業譲渡に比して、手続きがシンプルなため、増加傾向にあるM&Aですが、問題も生じています。例えば、売り手の立場に立つと、「買い手が契約を履行してくれない(お金を払ってくれない)」ことがあり、また、買い手の立場に立つと、「手に入れた企業は全くでたらめなガラクタ企業であった」などです。このようなトラブルを防ぐためにはポイントは2点です。ひとつめは、M&A契約の前に事前調査(デューデリジェンスと言います)をしっかり行うことです。ふたつめは、仲介業者に任せっきりにしないということです。M&A仲介業者は、不動産の仲介業者と同様、売買が成立して「ナンボ」ですから、いきおい、契約の成立を急ぎます。また、仲介業者はあくまでもマッチングにのみ責任を負いますから、M&A契約成立後のトラブルについては、基本、責任を負いません。仲介業者の口車に乗って、間違った意思決定をしないことが肝要です。
2.顧問
顧問という職務は、一体、何をしているのか分からないと思います。一言で言うと、「人間版目安箱」といったところでしょうか。例えば、スタッフに不都合が生じた場合に「誰に伝えたらいいのか分からない」という状態も多々あるでしょう。あるいは、個人的に不適切行為を受けていると言った場合、いきなり、役員に相談することもできないでしょうし、上司に相談するにも忙しい様子なので躊躇われる。このように、何らかの形で対応すべき必要性は認識しているが、次のステップが分からないといった場合に”顧問”が役立つのです。
顧問は「公平・中立」の立場で、話をお聞きし、その上で、これまでの経験と知識を生かして、従業員に対して寄り添いながら問題を解決していきます。もちろん、経営幹部の方への報告も工夫しながら適宜行います。このように、顧問はハラスメントや仕事上のトラブル、あるいは、営業や販売などのライン上の悩みについてもヒントを提供します。
問題を大きくしないコツは「初期対応」です。この「初期対応」を担っているのが”顧問”なのです。