さて、9月に入り、少しは酷暑もマシになてきたであろうか。
それにしても、一年は早い。今年もそろそろ、年末調整の封筒が送付される時期になってきた。
今年、年末調整業務をされる方は、ビックリすると思う。これまで、一番簡単であった(理解しやすかった)基礎控除が複雑怪奇になっているのだ。
去年は「103万円の壁」(扶養から外れる基準)で国会が盛り上がったが、まさか、基礎控除がこんなことになっているとは、露にも思わなかった。
そもそも、基礎控除とは各個人が所得税を負担する上で、生きるための最低限の非課税枠を用意しようというものである。なので、これまで各人平等、年齢によらず「38万円」であった。それが、去年(令和6年)年収によって二段階の差を設けた。すなわち、2400万円以下と2400万円超の間に「基礎控除の壁」を設けたのである。
ところが、今年(令和7年)は9段階の差を設けている。しかも、年収132万円から壁が設けられているので、ほとんどの方がこの制度改正の影響を受けることになる。
つまり、事務負担が激増するのである。
だいたい、年末調整なんて、税務署の仕事であって、私たち国民の仕事ではない。
にもかかわらず、どんどん複雑化していく税法にあきれてしまう。
税法の大原則は「公平・簡素・中立」である。なのに、ドンドン複雑化している税法に国民はついていけてるのだろうか。